自業自得のヒツジ

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あぁまたか。
ため息が出るくらいは目をつぶって欲しい。
この子があなたの担当よと、教えられたときは胸が踊ったものだ。
母親のお腹の中に芽生えたばかりの、ヒトよりはむしろ魚類に近い時から見守ってきた私の子。
早く話せるようにならないかと待ち続けた。

ひつじがいっぴきひつじがにひき。

ひらがなでたどたどしく指まで使って呼んでくれたときは、あまりに嬉しくて眠らせないようにいたずらもした。
柵を越えずにくぐってみたりわざと失敗したふりをしたり。
それがどうだ。

羊が1823匹羊が182・・。

頼むから早く寝てくれ。
ひたすら淡々と柵を越えてはまたループ。
これはまた朝までコースか。
待ち焦がれた子は不眠症だった。
すっかり慣れ切って一晩中目をつぶっていてもこなせ・・わっ!

「こけた!
やっぱり夢じゃなかった!
あースッキリ!」

コロコロと笑ってストンと。

・・・え?
えー!!
ファンタジー
公開:19/11/06 22:38
更新:19/11/06 23:34

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