現代版イソップ物語(嘘つきの少年)

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あるところに嘘つきの少年がいました
「五年後にこの街を大津波が来る。だから今のうちに大きな堤防を作った方が良いよ」
「ああ、またあの少年は嘘を付いているよ。困ったものだね。この前も「狼が来た」って村中を叫んで回っていたようだよ。まあ、結局、狼なんて一匹も来なかったけどね」
「俺は嘘なんてついていない」
「それが嘘だと言っているんだ。もうこれ以上みんなに迷惑をかけるんじゃないよ。私が恥をかくから。おお、神よ。この子に祝福を」

それはある夜の事でした
「少年よ。少年よ。起きなさい」
「むにゃむにゃ、あっ、神様」
「お前に伝えた神託は皆に広まっているかえ」
「いえ、全く」
「なんと!!なぜ言わない。村が滅亡するかもしれないのだぞ」
「それなら神様が直接みんなに言って下さいよ。子供の言う事なんて誰も信じてくれないんですから。この前だって狼用の罠を僕が作っておかなかったら村の羊は全滅でしたよ」
公開:19/11/07 06:39

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