止谷アドベンチャー

その日、渋谷駅は泥だらけだった。
駅名を見ると【止谷】。
「駅、間違えた？」
『点が逃げたの』
俺の隣には美女がいた。
『【渋】に封印された７つの点は、悪戯好きでね。私はアドベンチャー社の秘書で、点を探しているの。あっ』
美女の視線の先には【東京メドロ】。点は文字に擬態していた。
点は罠まで仕掛けていた。丸々とした【忠太】ムチ公に追いかけられたり。スクランブル交差【点】に入ると、【占】に変わり、皆が靴を飛ばして天気を占いだしたり。
あっ！【1Q9】！【？】をフックに、俺は壁を登り、３点目。
が、残りの４点はどこだ？
ふと、美女の社員証が目にとまった。
「最後の鍵は君だ」
【ビジョ】に刺さった棘を４つ引き抜くと、美女は元の【ヒショ】に、止谷は渋谷へと戻った。
『助かりました！よかったら、一緒にお茶でも？』
もう美女ではないかもしれないが、とてもタイプだった。
俺たちは目の前の珈琲店に入った。