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プップー
港に船がやってきた。
小さな定期船。
そよぐ風は規則的な円を緑色の海に描き出し、それがしじまの波となる豊潤な海。
私はここで育った。
島には高校がないから、船に乗って本土に行って、また電車に乗って。
それも今日で終わり。
いつもの風景がいつもの風景では無くなる。
それは同級生の龍弥も一緒。
今日は2人甲板にいる。
龍弥がボソっと「秘密がある」
と言った。
「あれ見て」
太陽に向かって走る船の水面の光を指差す。
「取れるんだよ」
龍弥が光に手を伸ばし、そおぅと握る。
そして私に掌を見せた。
光はキラキラと宝石のように龍弥の手の中で輝く。
「やってみ。惟子も」
私も光に手を伸ばし、キラキラを取る。
でも、これがいつもは出来ない事だって、龍弥に教えて貰わなくてもわかった。
これは特別。
自分が夢に向かって希望に満ち溢れた時、水面の光と共鳴してできる奇跡。
だから目映いのだ。
港に船がやってきた。
小さな定期船。
そよぐ風は規則的な円を緑色の海に描き出し、それがしじまの波となる豊潤な海。
私はここで育った。
島には高校がないから、船に乗って本土に行って、また電車に乗って。
それも今日で終わり。
いつもの風景がいつもの風景では無くなる。
それは同級生の龍弥も一緒。
今日は2人甲板にいる。
龍弥がボソっと「秘密がある」
と言った。
「あれ見て」
太陽に向かって走る船の水面の光を指差す。
「取れるんだよ」
龍弥が光に手を伸ばし、そおぅと握る。
そして私に掌を見せた。
光はキラキラと宝石のように龍弥の手の中で輝く。
「やってみ。惟子も」
私も光に手を伸ばし、キラキラを取る。
でも、これがいつもは出来ない事だって、龍弥に教えて貰わなくてもわかった。
これは特別。
自分が夢に向かって希望に満ち溢れた時、水面の光と共鳴してできる奇跡。
だから目映いのだ。
青春
公開:19/11/07 03:12
更新:19/11/07 09:07
更新:19/11/07 09:07
節目
日生諸島
岡山
最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。
「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。
なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。
でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。
Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2
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