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奴らに目をつけられたのが運の尽きさ。俺は抗う術もなく、改造手術を受けさせられた。昔の俺を知っている奴らは「明るくなったね」「垢抜けたね」なんて無責任に誉めそやすが、奴らの際限のない欲望は、俺を休ませようだなんて考えもせず、今も大手術の真っ最中さ。身体をズタズタにされ、最新技術を捻じ込まれて、絶え間ない頭痛と耳鳴りと、あちこちの軋む音とで眠ることもできやしない。
何のためにこんなことをっ!
耳を傾ける奴は誰も居ない。あんなにたくさんの耳があるってのにな。ここには俺を守る祖霊もいない。安らぎなどひとつもない。
俺は疲れた。奴らも疲れている。最先端のデバイスを詰め込まれているのは奴らも同じだ。
なあ。それは一体なんのためだ?
継ぎ接ぎだらけの傷口を隠すことばかり上手くなりやがって。馬鹿な奴らだ。
渋谷はもう俺じゃない。だが、帰る場所なんてない。仕方がないだろ。だって俺は渋谷だからな。
何のためにこんなことをっ!
耳を傾ける奴は誰も居ない。あんなにたくさんの耳があるってのにな。ここには俺を守る祖霊もいない。安らぎなどひとつもない。
俺は疲れた。奴らも疲れている。最先端のデバイスを詰め込まれているのは奴らも同じだ。
なあ。それは一体なんのためだ?
継ぎ接ぎだらけの傷口を隠すことばかり上手くなりやがって。馬鹿な奴らだ。
渋谷はもう俺じゃない。だが、帰る場所なんてない。仕方がないだろ。だって俺は渋谷だからな。
SF
公開:19/11/06 13:58
渋谷
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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