ふわふわのモノクローム
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がちゃり。にゃーん。
1日の終わりの合図といえば、家の玄関の鍵を閉める音と、俺の帰りを待っていた猫の声が常だ。
今日も退屈だった。いつもと同じ時間に会社につき、後輩を叱り上司に叱られ、会議は形ばかり。わんこそばならぬわんこ仕事、おかげで今日も定時に帰れなかった。昨日も明日も、今日の出来事以外になにか特筆すべきことなどないだろう。強いて言うなら、今日は気まぐれでコーヒーに砂糖を入れたくらいか。日々の変化など、その程度である。
「おかえり、今日もお疲れ様。私?留守番、楽しかったよ」
ふわふわと明るい相方は、今日も楽しそうに目を輝かせている。しかしその目は、生まれつき、色彩をほとんど認識しない。
「ん、ただいま」
いつも思う。多分、モノクロの世界を生きているのは俺の方だ。君はそのふわふわの尻尾を振ってモノクロの世界を彩りに切り裂いて生きてるんだろう?俺も尻尾、欲しい。
1日の終わりの合図といえば、家の玄関の鍵を閉める音と、俺の帰りを待っていた猫の声が常だ。
今日も退屈だった。いつもと同じ時間に会社につき、後輩を叱り上司に叱られ、会議は形ばかり。わんこそばならぬわんこ仕事、おかげで今日も定時に帰れなかった。昨日も明日も、今日の出来事以外になにか特筆すべきことなどないだろう。強いて言うなら、今日は気まぐれでコーヒーに砂糖を入れたくらいか。日々の変化など、その程度である。
「おかえり、今日もお疲れ様。私?留守番、楽しかったよ」
ふわふわと明るい相方は、今日も楽しそうに目を輝かせている。しかしその目は、生まれつき、色彩をほとんど認識しない。
「ん、ただいま」
いつも思う。多分、モノクロの世界を生きているのは俺の方だ。君はそのふわふわの尻尾を振ってモノクロの世界を彩りに切り裂いて生きてるんだろう?俺も尻尾、欲しい。
ファンタジー
公開:19/11/06 00:26
書くことが好き。音楽方面のライターを目指しています。Twitter→@r_dorfer_
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