あえて棚に上がる

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「リリリ、リリリ」

 朝を知らせるアラームがスマホから鳴っている。徐に手を伸ばし、スヌーズを止めた。
 虚ろな思考で郵便ポストをがさがさと漁っていると、見計らって声を掛けてくる奴が居る。
 視線を感じて隣家の生垣に目を移すと、ひょっこり首を出し、こちらを見るBBAが居た。

「お、おはようござ」
「あなた、その恰好。破廉恥だわ」
「え、でも、タンクトップに短パンで」
「おっぱい強調するわ生足見せつけるわ、そうやって男を惹き寄せるのね、卑しい」

 言いたいことを言うと、そいつは帰っていった。

(敷地内なら別に良いじゃん。これから仕事なのに、嫌な気分。……はあ、ゴミ捨てに行かなきゃ。)

 今度は裏口から外に出て、ゴミ箱から袋を取り出した時だった。
 妙な気配を感じて隣の家を見てしまった。そこで見たものは――

 リビングで踊る全裸のBBAだった。

 その後? もちろん、通報したわ。
その他
公開:19/11/05 23:59

竹箒390円

綺麗な文章を書きたいと思ってます。
どうぞ、よしなに。

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