ハチ合わせ
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ー君も中堅だし、そろそろ結婚は?ー
男はハチ公前で待ち合わせをしていた。婚活アプリで知り合った子と初めて会うのだ。
「ハチ公も忠犬だよな。同じちゅうけんとして応援してくれよ。俺学生時代の部活の背番号も8番でさ。シンパシー感じるよ」
ハチ公は「応援してるよ」と心の中で呟いた。でも女の子は待ち合わせ時間を1時間過ぎても現れなかった。
(辛いだろう…俺もいたたまれない)
ハチ公の心の声が漏れた。
ワウン!
「犬の声?」
男が振り返り、ハチ公の後ろにいた女の子を見て声をあげた。
「あれ?隣の課の…待ち合わせ?」
「うん、でもすっぽかされたみたい」
女の子は困った顔で笑う。
「そ、なんだ。俺もすっぽかされたみたい。どう?ハチ合わせの縁でご飯でも」
女の子はクスと笑って頷いた。
(頑張れ、ちゅうけん!)
ハチ公は女の子の服を引っ張った。
「キャ」
男はよろけた女の子の手を取り、二人は渋谷の街に消えた。
男はハチ公前で待ち合わせをしていた。婚活アプリで知り合った子と初めて会うのだ。
「ハチ公も忠犬だよな。同じちゅうけんとして応援してくれよ。俺学生時代の部活の背番号も8番でさ。シンパシー感じるよ」
ハチ公は「応援してるよ」と心の中で呟いた。でも女の子は待ち合わせ時間を1時間過ぎても現れなかった。
(辛いだろう…俺もいたたまれない)
ハチ公の心の声が漏れた。
ワウン!
「犬の声?」
男が振り返り、ハチ公の後ろにいた女の子を見て声をあげた。
「あれ?隣の課の…待ち合わせ?」
「うん、でもすっぽかされたみたい」
女の子は困った顔で笑う。
「そ、なんだ。俺もすっぽかされたみたい。どう?ハチ合わせの縁でご飯でも」
女の子はクスと笑って頷いた。
(頑張れ、ちゅうけん!)
ハチ公は女の子の服を引っ張った。
「キャ」
男はよろけた女の子の手を取り、二人は渋谷の街に消えた。
その他
公開:19/11/06 18:51
更新:19/11/19 22:28
更新:19/11/19 22:28
人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。
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