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渋谷には有名な占い師『渋谷の母』がいる。人のオーラが色で見えるらしく、その人の過去から現在に至るまでお見通し。占いは当たりすぎて恐怖するとまで言われ、夜だけ開かれる店には毎晩長蛇の列ができた。
ある日、男が渋谷の母を訪ねてきた。男を見た渋谷の母は息を飲んだ。彼にはオーラが無かったのである。それは死人を意味していた。しかし彼は現に目の前で息をし、動いている。
男は言った。「どうか、私が愛する人を今も守れているか占ってくれませんか?」
渋谷の母は初めて何も言うことが出来なかった。思わず泣いた。彼は若くして亡くなった自分の夫だからだ。
夫は言う。「君を愛しているよ。それだけをどうしても伝えたくて。」
今日は特別な日。夫が生きていれば金婚式だった。
渋谷の母は今日が最期の日だと知っていた。2人は出かけてよく待ち合わせをしたハチ公前で思い出話に花を咲かせた。その後を知るのはハチ公だけだった。
ある日、男が渋谷の母を訪ねてきた。男を見た渋谷の母は息を飲んだ。彼にはオーラが無かったのである。それは死人を意味していた。しかし彼は現に目の前で息をし、動いている。
男は言った。「どうか、私が愛する人を今も守れているか占ってくれませんか?」
渋谷の母は初めて何も言うことが出来なかった。思わず泣いた。彼は若くして亡くなった自分の夫だからだ。
夫は言う。「君を愛しているよ。それだけをどうしても伝えたくて。」
今日は特別な日。夫が生きていれば金婚式だった。
渋谷の母は今日が最期の日だと知っていた。2人は出かけてよく待ち合わせをしたハチ公前で思い出話に花を咲かせた。その後を知るのはハチ公だけだった。
その他
公開:19/11/04 16:39
更新:19/11/04 16:42
更新:19/11/04 16:42
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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