宿題たちの憂鬱

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「さて。今日から夏休みが始まったわけだが…」
算数ドリルが重々しく口を開いた。
「今年こそ賢太に宿題を完遂して頂く」
「全力で協力するわ」
そう応えたのは自由研究。去年8月31日に親に泣きついた屈辱が蘇る。
「俺もだ」
絵日記も必死だ。まとめて「くもり」「ふつうの一日」にされた汚名返上に燃えている。もちろん漢字ドリルも黙っていない。去年の反省として宿題が個々に催促しても効果がなかった。今年は一致団結し、集団の圧力で七月中に絵日記以外を片づけて貰おうと決めた。
「計画倒れにならんといいがな」
読書感想文が苦い顔で呟く。去年は結局提出されなかった。
ならばと宿題達は考え、毎日少しずつ進められるよう計画を立てた。
さっそく賢太を叩き起こし、宿題達は賢太を取り囲む。自由研究が話す計画案を賢太は眠そうに聞いた。
「うん。今年はそれでいこう」
安堵する宿題達に、賢太はポツリと一言。

「…明日からね」
ファンタジー
公開:19/11/04 13:33
スクー 宿題集団

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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