最期の言葉
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「ナイフを捨てて両手をあげろ」
寝込みを襲おうとナイフを振り上げた男に、背後から銃口を向ける。男は素直に従った。
「何者だ? 何故俺を狙った?」
男は答えない。まあいい。
「最期に言い残すことはあるか?」
もちろん、相手が何を言おうと俺がすることは決まっている。これは儀式のようなものだ。
男は言った。
「あんたの奥さん浮気してる」
「ふっ、そうか。……え?」
「浮気してる」
「なんで2回言った」
待て、落ち着け。俺を動揺させるための嘘かもしれない。
最期に悪あがきしやがって。
「証拠はあるのか? 何故そんなことを知っている?」
男は黙ったままだ。
「答えろ!」
「彼の言ってることは本当よ」
背後からの声に俺は振り向いた。
その瞬間、どんっ、と何かがぶつかってくる。腹部に違和感を感じた。
「お前……どうして……」
「愛してるわ、あなた」
薄れゆく意識の中で俺が聞いた、それが最期の言葉だった。
寝込みを襲おうとナイフを振り上げた男に、背後から銃口を向ける。男は素直に従った。
「何者だ? 何故俺を狙った?」
男は答えない。まあいい。
「最期に言い残すことはあるか?」
もちろん、相手が何を言おうと俺がすることは決まっている。これは儀式のようなものだ。
男は言った。
「あんたの奥さん浮気してる」
「ふっ、そうか。……え?」
「浮気してる」
「なんで2回言った」
待て、落ち着け。俺を動揺させるための嘘かもしれない。
最期に悪あがきしやがって。
「証拠はあるのか? 何故そんなことを知っている?」
男は黙ったままだ。
「答えろ!」
「彼の言ってることは本当よ」
背後からの声に俺は振り向いた。
その瞬間、どんっ、と何かがぶつかってくる。腹部に違和感を感じた。
「お前……どうして……」
「愛してるわ、あなた」
薄れゆく意識の中で俺が聞いた、それが最期の言葉だった。
ミステリー・推理
公開:19/11/05 18:55
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