時雨(ときさめ)

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出来の悪い小説みたいだろう?
僕の人生に何か起きる時、天気は決まって雨なんだ。時雨と書いて、ときさめって呼んでる。文字通りだからね。
別に嫌じゃないよ。降り出しの空の色や、雨足の強さや、温度や、風の匂い。その何かがどんなものか、何となく想像が付く。特に便利でもないけどね。傘を差したって、起きる事は避けられない。多少覚悟が決まるくらいでさ。
ほら、過去と未来のぶつかる所、つまり現在には、波乱と変化が付き物だから。気持ちの圧力が不安定で、時雨も降りやすいのかも知れない。

丁度今も降ってるね。久しぶりに、盛大な転機が来そうだ。緊張のせいか雷まで鳴ってる。
でも、雨上がりの空って、僕は良いと思うんだ。空気が澄んで心が晴れる。泣いた後、すっきりするみたいにさ。
雨降って地固まるとも言うし、涙は悪い物ばかりでもない。
だから、雨宿りの停滞線はここまでにして。ここから僕と一緒に、人生歩いてくれないか?
ファンタジー
公開:19/11/03 18:37
節目 時雨 プロポーズ

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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