手にした喜び
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子供のころからプロ棋士になることに憧れていた。棋譜を読むことに熱中し、友達からの誘いなんかもおざなりになっていたが、その代わり棋院に入ったため年上──むしろ年寄り──と仲が良かった。
最初は当然のようにハンディがあったが、僕はそれが不満だった。
「ハンデなしで絶対手を抜かないでください」
以後、ずっとハンディもなく全力で挑み続けたが勝てない。老人たちも、手を抜こうとしたことはあったが、その度に僕が怒っていたのでそういうことをしなくなっていた。。
忘れもしない、中1の夏休み。いつものように挑み、初めて勝つことができたのだ。
その時の嬉しさといったら表現のしようがなかった。
次の日、棋院に行きまた対局をした。駒をいつものように並べようとしたらこんな一言を言われる。
「ほれ、お前さんはこっちじゃよ」
渡されたのは『王』の駒。それだけで少し泣きそうになってしまった。
最初は当然のようにハンディがあったが、僕はそれが不満だった。
「ハンデなしで絶対手を抜かないでください」
以後、ずっとハンディもなく全力で挑み続けたが勝てない。老人たちも、手を抜こうとしたことはあったが、その度に僕が怒っていたのでそういうことをしなくなっていた。。
忘れもしない、中1の夏休み。いつものように挑み、初めて勝つことができたのだ。
その時の嬉しさといったら表現のしようがなかった。
次の日、棋院に行きまた対局をした。駒をいつものように並べようとしたらこんな一言を言われる。
「ほれ、お前さんはこっちじゃよ」
渡されたのは『王』の駒。それだけで少し泣きそうになってしまった。
青春
公開:19/11/03 10:00
更新:19/11/03 08:38
更新:19/11/03 08:38
書いたり描いたりすることが好き。
ただし気分屋でムラがあるからいつも書いたりしているとは限らない。
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