今日も小さなこの部屋で
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コンコン。いつもの様にドアを軽くノックする。部屋の中へと足を踏み入れれば、壁に横付けされた小さなベットが目に入った。もにゃもにゃと何かを呟きながら眠っているハルエ婆ちゃんは、相変わらず小さくて可愛かった。「婆ちゃーん、大丈夫ねー?」私がそう声を掛けると、ハルエ婆ちゃんは珍しく目を開けた。
「何か飲む?喉は乾かない?」
「うん、飲むよ…」
光が反射してるせいなのかよく分からないけれど、その瞳はいつもうるうると潤っていた。顔はシワだらけ、髪の毛はもちろん白髪、顎はたぷたぷとたるんでいるというのに。ハルエ婆ちゃんの口元に匙を運ぶと、小さな唇で麦茶を啜った。
「今日はねー、天気がいいよ〜」
「天気が良くても、この足じゃどこにも行けやせんよ…」
分かってた。そんな世間話を振ったところで婆ちゃんが喜ばないことくらい。だから私は、婆ちゃんの福耳をいつも褒めるんだ。
「ほっほっほ」って、笑ってくれるから。
「何か飲む?喉は乾かない?」
「うん、飲むよ…」
光が反射してるせいなのかよく分からないけれど、その瞳はいつもうるうると潤っていた。顔はシワだらけ、髪の毛はもちろん白髪、顎はたぷたぷとたるんでいるというのに。ハルエ婆ちゃんの口元に匙を運ぶと、小さな唇で麦茶を啜った。
「今日はねー、天気がいいよ〜」
「天気が良くても、この足じゃどこにも行けやせんよ…」
分かってた。そんな世間話を振ったところで婆ちゃんが喜ばないことくらい。だから私は、婆ちゃんの福耳をいつも褒めるんだ。
「ほっほっほ」って、笑ってくれるから。
その他
公開:19/11/03 22:31
更新:19/11/04 20:45
更新:19/11/04 20:45
初めまして、りなりると申します*
普段は社会人として普通に働いています。
空いた時間にこちらで小説を投稿しつつ、
コバルト文庫やオレンジ文庫主催のコンテストに応募するための作品も別の所で制作しています。コメントやアドバイスなどありましたら是非お願い致します!今後の参考にさせて頂きます。⚠誹謗中傷はおやめ下さい
ファンタジー、恋愛、青春ものを主に書いていきます*
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