赤錆た歯車③
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背の小ささも体の細さもだが、なによりほっそりとした腕がやけに青白くて、人間だとわかっているのに少々恐ろしく感じた。
「散歩。昼間は人の目があるから、なかなか出歩けないの」
月を映す海を愛おしげに眺め、彼女はふわりと笑った。
ああ、可愛い子だ。素直にそう思えるような、毒のない子だ。
「こんな遅くに、女の子一人でお月見?」
海から視線をずらして男を真っ正面から見据えた少女は自らの左胸を抑えた。
白い手のひらが白い服に埋まったように見えて、ひやりとする。
「うん。わたしの心臓、もう止まるの」
ひどくあっさりとした告白だった。かける言葉を探せずにいる男を見上げて、にこりと笑う。
「散歩。昼間は人の目があるから、なかなか出歩けないの」
月を映す海を愛おしげに眺め、彼女はふわりと笑った。
ああ、可愛い子だ。素直にそう思えるような、毒のない子だ。
「こんな遅くに、女の子一人でお月見?」
海から視線をずらして男を真っ正面から見据えた少女は自らの左胸を抑えた。
白い手のひらが白い服に埋まったように見えて、ひやりとする。
「うん。わたしの心臓、もう止まるの」
ひどくあっさりとした告白だった。かける言葉を探せずにいる男を見上げて、にこりと笑う。
その他
公開:19/11/02 08:57
思い付いたことを思い付いた時にぽそぽそと書きます。
起伏のない文章なのでさらーっと読み流していただければ幸いです。
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