赤錆た歯車④
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とても可愛い子だが、とても恐ろしい子だ。10代半ばの少女が自らの死を受け入れている。実にあっさりと、自然なことであるように。
先ほどの葬儀の歌も、自らに向けたものなのでは…?と勘ぐりたくなるくらいだ。
「美人薄命って言うけど、本当なんだね」
思いついた軽口はひどく的外れだったように思う。けれど彼女は嬉しそうに笑って、くるりと身を翻した。
「ありがと。そんなこと言われたのはじめてだわ」
じゃあね、と彼女は白い砂浜にすぐ消える足跡を残し、気がついたときにはその姿は見えなくなっていた。
それから数日経ったころ、日本のおじさんから帰って来るように連絡があった。…母が、亡くなったらしい。
マンションも引き払い、半年近く滞在した街を名残惜しく歩く。
先ほどの葬儀の歌も、自らに向けたものなのでは…?と勘ぐりたくなるくらいだ。
「美人薄命って言うけど、本当なんだね」
思いついた軽口はひどく的外れだったように思う。けれど彼女は嬉しそうに笑って、くるりと身を翻した。
「ありがと。そんなこと言われたのはじめてだわ」
じゃあね、と彼女は白い砂浜にすぐ消える足跡を残し、気がついたときにはその姿は見えなくなっていた。
それから数日経ったころ、日本のおじさんから帰って来るように連絡があった。…母が、亡くなったらしい。
マンションも引き払い、半年近く滞在した街を名残惜しく歩く。
その他
公開:19/11/02 08:58
思い付いたことを思い付いた時にぽそぽそと書きます。
起伏のない文章なのでさらーっと読み流していただければ幸いです。
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