キズナ 一途な想い 第2話

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昼食の時間になり、私達は別室に移動して食事を取りながら秘密の話をした。やっぱり彩佳さんはひたすら笑顔でキラキラしている。
秘密といっても、彼女が彼に好意を抱いている事は彩佳さんが施設を利用され始めた当時勤務していた職員の中では暗黙でありながら周知の事実だった。
だから、彩佳さんは私に当時の気持ちや今の気持ちを話してくれるし聞いてあげたい。
「彩佳さん、逢えたの?」
「…。うん。」
「彼となんか話せた?」尋ねても笑顔が冴えない。
この時点で大体の察しはついた。
いつもように逢えたけど話せてない事は。
それでも彼女は彼に逢えただけでうれしいというのはなんとも
健気で乙女な感覚なのか。
恥ずかしながら、私自身、当の昔にそんなピュアな気持ちは消えた。
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公開:19/10/31 10:28
#切ない#身体障害者#離れていても

紗羅まりか

障害者ライター・紗羅まりかと申します。
気ままに執筆しています。恋愛からノンフィクションまで。励みになりますのでよろしければお気に入り登録よろしくお願いいたします

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