戦力外の芸術

A国とB国との戦いは、ほぼ終結A国の城とそこに籠城する領主、戦士たちと戦争が始まった頃城を強く見せる装飾の為に集めた芸術家たちのみとなっていた。
戦うこともできない芸術家たちは足手まといだと思われていて「戦力外の芸術家」と戦士たちから呼ばれていた。農民でさえ食べ物を供給したり前線に出て戦ったのに、穀物を消費しオブジェを城の周りに建てたり城の壁に戦士の絵をかいたりするだけで何の役にも立たないとあからさまに言われるようになった。
落城は目の前となった日、戦士長は芸術家たちに言った「このままここにいても戦えるわけでもない、いっそのこと逃げのびろ」
その言葉を聞いた芸術家たちは外を指さし口々に言ったのだ「戦力・・・外の芸術」皆の言葉がそろった瞬間、城の周りの戦士のオブジェは戦い始め城壁からは多数の戦士が飛び出してきて城を取り囲むB国の軍隊を蹴散らしてしまった。戦況はA国の圧倒的な有利に変わった。