15
19
毎年お盆になると、母方の祖父母の家に集まってすき焼きを食べるのが恒例だった。のだけど、今年から少しだけ趣を異にした。
去年の冬、祖父が亡くなった。
祖父のこだわりですき焼きは和牛と決まっていたが、孫の私たちが食べ盛りになったこともあり、今年からは安い外国産牛肉ですき焼きをすることになった。
「美味しい美味しい。柔らかいし」
「そうね。和牛に比べるとちょっとって思うけど。美味しいわ」
なんて叔母と母が話すと、「あたしはもうお肉無理だしねぇ」と祖母が日本酒を呷った。私たちキッズも黙々とご飯を頬張る。めちゃ美味し。
一方。
仏壇の精霊牛は戦慄していた。去年仏になった家主が自分を喰おうとしている。
「ワシも牛肉食べたい……」
「ま、待って下さい! 帰り私に乗るでしょ?」
「帰りも馬でいい。速いし」
「わ、私は置物です! 置く和牛です!」
それを聞いた精霊馬が一言。
「ナスやん」
去年の冬、祖父が亡くなった。
祖父のこだわりですき焼きは和牛と決まっていたが、孫の私たちが食べ盛りになったこともあり、今年からは安い外国産牛肉ですき焼きをすることになった。
「美味しい美味しい。柔らかいし」
「そうね。和牛に比べるとちょっとって思うけど。美味しいわ」
なんて叔母と母が話すと、「あたしはもうお肉無理だしねぇ」と祖母が日本酒を呷った。私たちキッズも黙々とご飯を頬張る。めちゃ美味し。
一方。
仏壇の精霊牛は戦慄していた。去年仏になった家主が自分を喰おうとしている。
「ワシも牛肉食べたい……」
「ま、待って下さい! 帰り私に乗るでしょ?」
「帰りも馬でいい。速いし」
「わ、私は置物です! 置く和牛です!」
それを聞いた精霊馬が一言。
「ナスやん」
その他
公開:19/10/30 15:18
ランダムキーワード
置く和牛
書き手さま読み手さま、私の名前が読めない皆さま。交流大歓迎です!
https://twitter.com/1o1o1298
ログインするとコメントを投稿できます