二軍アイドル

芸能事務所社長の滝本は大島サヤカの才能を見抜いていた。

サヤカはアイドルグループSSG48の二軍で、一軍を目指して頑張っていた。

滝本は、サヤカを社長室に呼び出した。
「サヤカ、明日から二軍監督をやってもらう。わかったな」
「二軍監督？ボス、いったい何をすれば…」
「二軍の中から、９人選んでアイドルグループを作って売り込め。結果次第で一軍メンバーに入れてやる」

サヤカはそんな無茶ぶりに困惑していた。が、元女子硬式野球部のキャプテンだった経験を活かし、一カ月で精鋭メンバー９人のグループを結成。半年後には一軍と肩を並べるアイドルグループに育て、結果を出した。

「ボス、約束どおり私は一軍に入れるんですよね！」
「おまえは…一軍でも二軍でもない」
「まさか…戦力外？」
「女優だ。実は、映画『キャプテン』の監督からオファーがあって、試したんだ」
「ほんとですか！で、役柄は？」
「ヒロインだ」