赤信号、みんなでやれば無問題

スクランブル交差点の真ん中に、突然、迷彩柄のタンクトップに短パンの男が現れた。よく見ると内閣総理大臣だった。

「ひゃい、腰を大きく落として、大きく両腕を左右に伸ばして、ひゃい、腕をぶんぶん回す！ ひゃい、飛行機のように、ぶんぶん！」

遠巻きに観ていた群衆の中から、何人か首相に合わせて腕をぶんぶん回す者が現れた。

「私は、この国をもっと健康にしたいと思っているんです。ひゃい、反対にも回して、ぶんぶん！」

突然のフラッシュモブだったが、やがて、参加者はあふれんばかりになり、スクランブル交差点は歩行者天国のようになった。

「しょれじゃ、次に、身体を右にゃなめに倒して。両手を上に合わせて挙げておろしながら、左膝を大きく蹴り上げる！ 同時に、ぼん！ はい、4回やってみよう。はい、ぼん！」

皆が首相に合わせてブートキャンプをする。

「はい、わんもあせっ！」

最後に皆で

「びくとりー」