フシ■ガミサマ
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僕が住む村には『フシ■ガミサマ』と呼ばれる神様がいる。
人生の折り返しとなる節目に現れて、お告げをしてくれるんだとか。
例えば100歳まで生きるなら折り返しは50歳だ。
僕はまだ10歳で、会えるのはまだ先だなぁなんて思っていたら、隣に住むお兄ちゃんが1年前に会ったと教えてくれた。
「お兄ちゃんは、まだ18歳なのに?」
「今まで人のために尽くしてきたら、神様にも気に入られちゃったみたいだ。早くこちらに来て仕事を手伝ってほしいと言われたよ」
優しくて頭がよくて体も丈夫で、村一番の男前のお兄ちゃん。
僕も、お兄ちゃんが大好き。
悲しくなって俯く僕の頭を、お兄ちゃんは優しく撫でてくれて――
ふと、その手のひらに小さな『メ』の傷痕があることに気付く。
まるで自分のモノだと主張しているような痕。
(フシ■ガミサマって、女神様なのかな)
お兄ちゃんは、きっと、神様にお告げではなく告白をされたんだ。
人生の折り返しとなる節目に現れて、お告げをしてくれるんだとか。
例えば100歳まで生きるなら折り返しは50歳だ。
僕はまだ10歳で、会えるのはまだ先だなぁなんて思っていたら、隣に住むお兄ちゃんが1年前に会ったと教えてくれた。
「お兄ちゃんは、まだ18歳なのに?」
「今まで人のために尽くしてきたら、神様にも気に入られちゃったみたいだ。早くこちらに来て仕事を手伝ってほしいと言われたよ」
優しくて頭がよくて体も丈夫で、村一番の男前のお兄ちゃん。
僕も、お兄ちゃんが大好き。
悲しくなって俯く僕の頭を、お兄ちゃんは優しく撫でてくれて――
ふと、その手のひらに小さな『メ』の傷痕があることに気付く。
まるで自分のモノだと主張しているような痕。
(フシ■ガミサマって、女神様なのかな)
お兄ちゃんは、きっと、神様にお告げではなく告白をされたんだ。
ファンタジー
公開:19/10/28 23:48
Twitter@N_natsuo
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