もしもここに

2
5

部屋の真ん中に寝そべり、うつぶせになったまま顔を右側に倒してみる。

寝そべったままの視界というのは、普段ではあまり見ない高さからの視線だ。
この視線から「もしもここに小人がいたら」なんて想像してみる。

こうして見方を変えることで全く違う世界が目の前に広がる。この行動が普遍的じゃないものであると同時に、変わり映えのある景観により一層非現実的な存在を期待する自分もいた。

「もしここに小人がいたら」
「目の前に突然現れたら」
「あの隙間から逃げるかもしれない」
「手で捕まえれるかな」

たった一つの景色にあふれるばかりの予想と期待を巡らせた。
もちろんだが、待てども小人は現れなかった。
待てども待てども来なかったのだ。

先ほどまでの胸の高鳴りと希望を返しておくれよ。
といいつつ、身体を起こして普段の高さに戻った。
青春
公開:19/10/28 23:27
小人

誉野史( 愛知 )

はじめまして!
お立ち寄り頂きありがとうございます。
誉野史と申します。

現実世界ではよく知らない人に声をかけられやすいタイプで通っています。
なので、気軽に声をかけてください。

ジャンルは様々。
思いつくままに。

https://kakuyomu.jp/users/putamu
https://twitter.com/putamu2
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容