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「お~い、胃薬はどこだ?」
『あら、今日は休みじゃないの?』
「急な仕事が入ってね。昨夜深酒なんてするんじゃなかったよ…」
『なら、この医薬を使ってみては?漢方ではなく、医療用成分配合で効き目も早いらしいですよ』
「どれどれ…おお、確かに効き目が出るのが早いな。体が温かくなってきた。って…何だこれ…頭がガンガンして、体が重いぞ…」
『あなた…そんな体で仕事しようとしていたの?医薬は体の悪いところを治す薬よ。今日はもう休んで』
「やはり胃薬を飲めば良かった…」
『そんなこと言わないの。ほら、こっちきて』
「すまない…こうしていると昔を思い出すな…」
『体の弱かったあなたを私が看病していた頃?』
「ああ…そう思うと医薬を使って正解かもしれん。これからはもう少し体を労わることにしよう。家でゆっくりする時間も必要だ」
『あらあら、早速居薬の効果が出たようね』
「何か言ったか?」
『いいえ、何も』
公開:19/10/27 18:53

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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