あの時の音色

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子供の頃に行ったピアノコンサート。そこで私は衝撃を受けた。美しい音色が私を虜にした。
翌日から私はピアノ教室に通い始めた。最初は上手く弾けず、嫌になる事も多かった。
しかし徐々に楽譜の読み方を覚え、指が思い通りに動くようになってきた。ピアノが楽しくなってきた。
単純な反復練習でさえ楽しめるようになった。腕前も上達していく。
私もあの時聞いた美しい音色を奏でてやるんだ!
練習は熱を帯びていく。私は暇さえあればピアノを弾いた。
ランナーズハイという言葉がある。あれに似た高揚感を覚えた私は食事も睡眠も忘れて弾き続ける。
そして、倒れた。
両親にこっぴどく怒られた。少しは休みなさいって。
でも、もう少しであの時の音色が出せそうなのだ。あともう少しだけ!
ぐぅー
ピアノの前に私の腹の音が盛大に鳴った。私も女の子。これは恥ずかしい。
「ほら、言わんこっちゃない」
両親の言葉に私はぐうの音も出なかった。
公開:19/10/28 18:30

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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