代替

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 大宙航時代。
 地球が手狭になったため、有人探索機をいつくも飛ばして開拓できる惑星を探しつつ、宇宙の謎を解明する時代なのだ。特命プロジェクトのブラックホールについて解明せよというものに任命され、飛び立つ。近づくにつれて高まる期待と不安。
「もうすぐ事象の地平線だ」
 そこに踏み込んでしまうと時間と空間が逆転してしまうという境界。
「大丈夫なのか?」
 一応クルーに確認するが、無言の笑顔が返ってるのみ。それもそうか、これはゲーム内のことなんだから。和やかな雰囲気のまま突入しようとする。
 しかし、どうやってゲームで表現するんだろうか──次の瞬間、目の前が真っ暗になる。何が起こっているのか理解できない。ゴーグルを外せば見飽きた部屋が視界に飛び込んでくるはずなのに。

 踏み込めば現実にも影響を及ぼす永遠の流刑地。その牢獄は膨れ上がる犯罪者収容施設の代用ということに彼は気づくことができない。
その他
公開:19/10/28 10:37
更新:19/10/31 01:08

fnro6( こことtwitter(@fnro6)と他にもいろいろ )

書いたり描いたりすることが好き。
ただし気分屋でムラがあるからいつも書いたりしているとは限らない。

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