少年と出遭った警官の運命やいかに

「で、坊や、どうしたのかな？」

「えっとね、僕のおうちは森の中にあるんだけれど、おうちを出て右に向かってすぐの森の中の道をまっすぐ歩いていたら、しばらくして塗り壁にぶつかったの。そこでその先に行けなくなったから戻ってきたの。でも元の道に帰れなくて小さな川に出たの。で、小豆洗いがいて道を聞いたんだけど答えてくれなくて、仕方なく川沿いを歩いてたら雨が降ってきて、唐傘に入れてもらって、ボロボロのお寺に連れて行ってもらってそこで雨宿りすることにしたの。そうしたら、化け狸の和尚さんがお茶をいれてくれて飲んでいるうちに雨も上がって空を観たら一反木綿が飛んでいたの。それを追いかけていたらおうちに帰る道に戻れたの。それでね、おうちに帰ったら、誰もいなくて、鏡を観たら知らないおじいさんが映っていたの。でも、それ、僕だったの。」

「ん？ 坊やは小さい子だよ」

「うん。生気を吸って戻ったんだ。こうやって」