ゴクラーク博士と骨ヶ丘

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友達のマキちゃんと丘の上に像のある公園に遊びにきた。

ゴクラーク博士
"少年よ、タイツを抱け"

「ヒデ君、何これ?」

突然、博士が指差す方角からガラガラ音が聞こえてきた。
そちらを見ると、丘の向こうから何万もの羊の骨の群が「むうむう」鳴きながらこちらに走ってくる。

「何あれ、助けて!」

困った僕が博士の像に目をやると、ニヤッと笑った。少年よ…ああ、そういう事か!

「ごめん!」

スカートの中に手を伸ばし、タイツを一気に脱がした。
抱く…抱く?抱く!
そのままタイツをマキちゃんの頭に被せて、抱きしめた。
「頼む!」
羊の骨の群はガラガラ音を激しく鳴らしながら通り過ぎていった。


「もう大丈…」
ビンタ音が丘にこだました。そしてマキちゃんはタイツを僕に被せて走り去った。

博士の像が叫んだ。
「ゴクラーク」

僕はタイツのほのかな温もりを感じながら、青年の扉を開けた気がした。
その他
公開:19/10/25 22:46
むうさん宿題 ゴクラーク博士 ぱせりんさんに怒られる…

たらはかに( 日本 )

たらはかに

https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 「猫いちご ・練乳味」
渋谷ショートショート入選 「スク・ラブラブ・ランブル交差点(哀)」とか。

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