二世代ハロウィン

「渋谷に行きたいから」
反抗期真っ盛りの娘が久しぶりに話しかけてきたと思ったら、お小遣い目当てだった。
「何しにいくの？」
まだ高校生なりたての娘、道を外させるわけにはいかない。渋谷は怖い街だ。
「友達とハロウィンを見に行く」
なかなか友達ができなくて悩んでいたことを知っていたから、私は思わず笑顔になった。
どんな子？何するの、いくら位必要？
久しぶりに娘と話がはずむ。

そういえば私が初めて渋谷に行ったのも、娘の位の年だった。
「その時の写真、見る？」
私はいそいそと昔の写真を出す。
「なんだ、ママもハロウィン行ってたんじゃん！これ、なんのコスプレ？」

・・・うん、それはね、“ヤマンバ”っていうんだ、コスプレではないのだけど。。まあ、いっか。
ともかくママから一言、
「渋谷は楽しすぎる街だから、気をつけて」

私は思わず出してしまった写真をそっと回収し、机の奥深くに再び封印した。