化け物はホラーとは違うかもしれない
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庶民の間で百物語などが話題になるのは江戸時代になってからだが、その始まりは室町時代の武士の間でとも言われている。元は肝試しの意趣が強かったというが、闘争に明け暮れた武士ならではのことであろう。
いっぽう本所の七不思議に象徴されるように、江戸庶民の間で話題になる怪異現象は、当たり障りのない、どちらかといえば微笑ましい感じさえするものだった。
ところが、いまや現代のホラーというものは、人命に関わるようなものばかりである。単に音が聞こえたとか何かが見えたで終わることが無くなって、観たら死ぬとか関わったら死ぬとか。
たしかに死は恐ろしいものかもしれない。
しかし、いかにも情緒がない。
落語「化け物使い」や「おすわどん」のような、ちょっとだけ不思議で楽しめるものがいい。
ーーー
手記はここで終わっている。書き手は化け狸であった。達筆な手が教養の高さを物語る。狸の書状とは不思議であるが。
いっぽう本所の七不思議に象徴されるように、江戸庶民の間で話題になる怪異現象は、当たり障りのない、どちらかといえば微笑ましい感じさえするものだった。
ところが、いまや現代のホラーというものは、人命に関わるようなものばかりである。単に音が聞こえたとか何かが見えたで終わることが無くなって、観たら死ぬとか関わったら死ぬとか。
たしかに死は恐ろしいものかもしれない。
しかし、いかにも情緒がない。
落語「化け物使い」や「おすわどん」のような、ちょっとだけ不思議で楽しめるものがいい。
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手記はここで終わっている。書き手は化け狸であった。達筆な手が教養の高さを物語る。狸の書状とは不思議であるが。
ホラー
公開:19/10/26 18:08
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そこは手ではなく足だろ
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