かにころ合戦

むかしむかし。大きな糞のような石を拾ったタラバ蟹が、美味しそうなおにぎりを転がしているフンコロガシに出会いました。
「この出来立てほかほかの大きな糞とそのおにぎりを交換してあげようか」
「本当かい！ありがとう」
フンコロガシはタラバ蟹と交換した糞を安全なところまで運んで食べようとしましたが、硬くて食べられません。
「しまった！石だ！騙された」
フンコロガシが泣いていると、猿と桃と獏がやって来ました。
「ひどいタラバ蟹だ！こらしめよう」
皆でタラバ蟹の家で待ち伏せしていると、タラバ蟹が帰ってきました。桃が桃尻をぷりぷりさせて油断させた隙に、貘が体当たりをし、猿が糞を投げました。
「ごめんよ、もうしないよ」
タラバ蟹がお詫びに足を一本くれたので、塩バターで美味しく味付けしたカニクリームコロッケを作って皆で食べました。
それからフンコロガシは猿と獏の糞をもらい、転がしながら帰りましたとさ。