夜空のパレード

空を赤く染めながら、太陽はこどもたちに言いました。
「みんな、またね」
こどもたちは太陽に手をふります。
「さぁさぁ、お月さんのお出ましだ。ちゃあんと、出迎えてあげるんだよ」
そういうと、太陽は山の向こうに沈んでいきました。空はだんだんと深い濃紺へと変わってゆきます。ひとつ、またひとつと、夜空にランプがともります。
「わぁ、はじまるよ！」
誰かが、そう言いました。太陽と入れ替わるように、銀色のまあるいお月さまがゆっくりゆっくりと昇ってきます。
「みんな、こんばんは。今夜も、お空のパレードだ」
お月さまが昇っていくたびに、夜空にぽっとランプが灯ります。先頭をゆくのはプロキオンのあかり。カストルとポルックスが仲よくならび、ベテルギウスが赤く瞬くと、こどもたちは飛び上がって喜びました。パレードはしずかに続きます。やがてみんなが眠りに落ちた頃、お月さまはしのびあしで薄水色の空に溶けていくのでした。