あの時の音色
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多くの人が私の新譜を今か今かと待ち望む。しかし今の私にはその声に応えることが出来ない。私は今、スランプで何も書けない。
そんな私はある日、古びたレコード店と出会った。中を覗くと学生時代によく聞いていた名盤が数多く置かれている。私は店内を夢中で見て回った。
頭の中に流れる名曲の数々。針を落とさなくても分かる。その音は今の私を構成したものだ。
「お気に召して貰えましたか?」
店員らしき女性が声をかけてきた。私は頷いた。
「当店はアカシックレコード店。貴方の歴史・貴方の音楽がここには収められています」
微笑む女性が手に持っていたのは私が最初に作ったレコード。全く売れなかった、白紙のレコード。
私は今一度、あの時の曲に挑戦したいと思った。あの音色を今なら昔の私が思った通りに作ることが出来る!
私は決意と共に店を出た。
私を見送ってくれた女性は、その手に白紙のレコードを持っていた。未来の私の作品だ。
そんな私はある日、古びたレコード店と出会った。中を覗くと学生時代によく聞いていた名盤が数多く置かれている。私は店内を夢中で見て回った。
頭の中に流れる名曲の数々。針を落とさなくても分かる。その音は今の私を構成したものだ。
「お気に召して貰えましたか?」
店員らしき女性が声をかけてきた。私は頷いた。
「当店はアカシックレコード店。貴方の歴史・貴方の音楽がここには収められています」
微笑む女性が手に持っていたのは私が最初に作ったレコード。全く売れなかった、白紙のレコード。
私は今一度、あの時の曲に挑戦したいと思った。あの音色を今なら昔の私が思った通りに作ることが出来る!
私は決意と共に店を出た。
私を見送ってくれた女性は、その手に白紙のレコードを持っていた。未来の私の作品だ。
公開:19/10/24 18:38
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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