茶柱
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茶柱はとうとう重い腰を上げた。
とうとうこの若人にも運が回ってきたからだ。
茶柱は、この貧乏な若人と暮らして約2年になる。が、お互いに口を聞くことはほとんどなかったのだ。
事の始まりはこの若人の暴挙にあった。
2年前のある日、貧乏によるストレスか、単なる好奇心か、茶柱を無理やり立たせようとしたのである。
「お前が立てば俺にも運が回ってくるんじゃないか」
そう言う男に激怒した茶柱は何も言わずに茶筒に戻ってしまった。
それからというもの茶柱は男の前に姿を表すことはなかった。
「ごめんな」そう聞こえたのは1時間ほど前のことであった。
若人はどこかそわそわしていた。
「今日好きな子が来るんだ。2年も謝らなくて悪かったな。お前にも紹介したいんだ。俺、その子に告白しようと思ってる」
そういうとチャイムが鳴った。
楽しそうな声が聞こえてきた。
茶柱はとうとう重い腰を上げた。
とうとうこの若人にも運が回ってきたからだ。
茶柱は、この貧乏な若人と暮らして約2年になる。が、お互いに口を聞くことはほとんどなかったのだ。
事の始まりはこの若人の暴挙にあった。
2年前のある日、貧乏によるストレスか、単なる好奇心か、茶柱を無理やり立たせようとしたのである。
「お前が立てば俺にも運が回ってくるんじゃないか」
そう言う男に激怒した茶柱は何も言わずに茶筒に戻ってしまった。
それからというもの茶柱は男の前に姿を表すことはなかった。
「ごめんな」そう聞こえたのは1時間ほど前のことであった。
若人はどこかそわそわしていた。
「今日好きな子が来るんだ。2年も謝らなくて悪かったな。お前にも紹介したいんだ。俺、その子に告白しようと思ってる」
そういうとチャイムが鳴った。
楽しそうな声が聞こえてきた。
茶柱はとうとう重い腰を上げた。
青春
公開:19/10/23 01:33
なんでもします
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