ニャンモナイト

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ウチは猫を飼っている。名前はタマ。年齢は不明。私が生れる前からウチにいる。
タマはいつも寝てばかりだ。座布団の上で丸くなって寝ている。私はタマが動いているところを見たことがない。きっとタマは生きた化石なんだ。
ある日、タマの秘密を知りたくて私はその体に手を伸ばした。タマは押し入れに仕舞い込んだ毛布みたいな匂いがする。その匂いと温もり誘われ、私も丸くなって眠りに落ちた。
タマの夢を見た。タマが動いている!タマの尻尾が二股に分かれている!タマは猫又だったんだ!
目を覚ますと私は母の膝枕で眠っていた。
「タマの夢を見た」
私の話を母は聞いてくれた。
「私もね、同じ夢を見たことがあるわ。あの時は…そう、お父さんがプロポーズしてくれた日。タマの尻尾の付け根は人生の節目。あなた、何か言いたいことがあるんじゃないの?」
私は頷いた。
「明日、紹介したい人がいるの」
タマの尻尾がピクリと動いた気がした。
公開:19/10/20 18:35

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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