花火を見上げる海坊主
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頭上からヒューという笛のような音が聞こえてきた。
海坊主が海面から少し顔を出して空を見上げると、ちょうど花火がドカーンとはじける瞬間だった。
きれいだなぁ。
海坊主は毎年この海岸で行われる花火大会が大好きだった。
普段海の中では太陽の淡い光しか見れないから、彼にとって人工の光は新鮮だった。
その後も空では花火が打ち上がり、海坊主は真下からじっと見つめていた。
だが、あまりにも花火に心を奪われすぎたせいだろうか。
大きな頭が海面からすっかり出てしまっていた。
「ちょっとあれ何?」
海から近い人たちにはすぐに気づかれてしまう。
辺りはパニックになった。
恐怖による悲鳴と、気づいていない人の花火に対する歓喜が入り混じった声。
海坊主は異変を感じるとチラリと後ろを振り返り、急いで海中に潜った。
少しだけ見せたその瞳には涙が浮かんでいた。
海坊主が海面から少し顔を出して空を見上げると、ちょうど花火がドカーンとはじける瞬間だった。
きれいだなぁ。
海坊主は毎年この海岸で行われる花火大会が大好きだった。
普段海の中では太陽の淡い光しか見れないから、彼にとって人工の光は新鮮だった。
その後も空では花火が打ち上がり、海坊主は真下からじっと見つめていた。
だが、あまりにも花火に心を奪われすぎたせいだろうか。
大きな頭が海面からすっかり出てしまっていた。
「ちょっとあれ何?」
海から近い人たちにはすぐに気づかれてしまう。
辺りはパニックになった。
恐怖による悲鳴と、気づいていない人の花火に対する歓喜が入り混じった声。
海坊主は異変を感じるとチラリと後ろを振り返り、急いで海中に潜った。
少しだけ見せたその瞳には涙が浮かんでいた。
その他
公開:19/10/20 16:35
ショートショートに魅入られて自分でも書いてみようと挑戦しています。
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