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「寝てたいけど起きなきゃ遅刻」睡眠欲と義務感とのせめぎ合いの末、俺は大人として「おりゃぁ~」と起き上がった。だが、大人になりきれない俺は、枕に顔を埋めたままだった。
「お前、起きたのになぜ寝ている?」
「お前、寝ているのになぜ起きている?」
寝ている俺は起きている俺に「ごくろうさん」と言い、起きている俺は寝ている俺に「図々しい奴」と苛立つ。
「晩飯は俺の分も頼む」部屋を出る俺に寝ている俺がそう言った。
夢を見たんだ。と思っていた。だが家に戻ると寝巻の俺がいて、一緒にコンビニ弁当を食べるはめになった。ベッドが狭い。
翌朝。同じ葛藤の末起き上がった俺は、寝ている二人の俺に見送られて会社へ出かけた。
こうして、俺は一人ずつ増えていき、今では43人の俺が1DKにひしめきあっている。家事は分担制にしているが、朝、誰が起きるのかという心理戦は熾烈を極める。あと、給料は一人分なので生活は厳しい。
「お前、起きたのになぜ寝ている?」
「お前、寝ているのになぜ起きている?」
寝ている俺は起きている俺に「ごくろうさん」と言い、起きている俺は寝ている俺に「図々しい奴」と苛立つ。
「晩飯は俺の分も頼む」部屋を出る俺に寝ている俺がそう言った。
夢を見たんだ。と思っていた。だが家に戻ると寝巻の俺がいて、一緒にコンビニ弁当を食べるはめになった。ベッドが狭い。
翌朝。同じ葛藤の末起き上がった俺は、寝ている二人の俺に見送られて会社へ出かけた。
こうして、俺は一人ずつ増えていき、今では43人の俺が1DKにひしめきあっている。家事は分担制にしているが、朝、誰が起きるのかという心理戦は熾烈を極める。あと、給料は一人分なので生活は厳しい。
その他
公開:19/10/21 09:41
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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