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雑居ビルのエレベータに乗り、『B2』を5秒間長押しすると、ボタンが点滅を始めた。
噂は本当だったらしい。エレベータは地下2階をすぎて、ぐんぐん降りて行く。
ドアが開くと、悪臭が鼻をついた。
薄暗い中を恐る恐る歩いていると、いきなり老人が現れた。
『渋谷アンダー街へようこそ!』
老人はひゃっひゃ、と歯の抜けた口で笑った。
『臭いだろう。ここは渋谷の陰陽だ』
「というと?」
『街のきな臭いものは、蓋をしてここに送られる』
老人は鼻をつまむ仕草をした。
『それを浄化して、ポンプで上に押し返す。ちょうど代々木公園で噴き出る』
「え」
『渋谷の煌びやかさを支えるために、ここがある。忘れるな』
気が付くと俺はエレベータの中にいた。
『B2』を長押ししてみたが、変化はない。
夢にしてはリアルすぎた。鼻に悪臭がこびりついている。
エレベータを出た俺は、ひとまず明日の公園デートを延期することにした。
噂は本当だったらしい。エレベータは地下2階をすぎて、ぐんぐん降りて行く。
ドアが開くと、悪臭が鼻をついた。
薄暗い中を恐る恐る歩いていると、いきなり老人が現れた。
『渋谷アンダー街へようこそ!』
老人はひゃっひゃ、と歯の抜けた口で笑った。
『臭いだろう。ここは渋谷の陰陽だ』
「というと?」
『街のきな臭いものは、蓋をしてここに送られる』
老人は鼻をつまむ仕草をした。
『それを浄化して、ポンプで上に押し返す。ちょうど代々木公園で噴き出る』
「え」
『渋谷の煌びやかさを支えるために、ここがある。忘れるな』
気が付くと俺はエレベータの中にいた。
『B2』を長押ししてみたが、変化はない。
夢にしてはリアルすぎた。鼻に悪臭がこびりついている。
エレベータを出た俺は、ひとまず明日の公園デートを延期することにした。
ファンタジー
公開:19/10/20 23:02
おっさんになりましたが、夢は追い続けます
「小説は短く、人生は永く」
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