風変わりなエビフライ

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 最近、家に帰るとエビフライが出迎えてくれる。
「お帰りなさい。今日もお仕事お疲れ様」
 そんな感じで。
 エプロン付けたエビフライは甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。
 出迎えてくれる人がいるのはありがたい。
 たとえそれが香ばしい香り漂うエビフライであったとしても。
 しかし一体何の功徳でこうなったのか。こちらは全く記憶にない。もしかして前世でエビフライでも助けたりしたのかしらん。
 むかーしむかし、あるところに前世の自分が住んでいて、そいつが罠にはまったエビフライを見つけたり。
 これを見た前世の自分は、おお、なんと可哀そうにと……
 思うだろうか。
 これは美味しそうに、ではないのだろうか。
 慢性的栄養失調状態であった昔の人ならエビフライを見れた途端、食ったのではないだろうか。
 ならばなぜエビフライが世話を焼いてくれるのか。
 その因果が――本当にわからないのだ。
ファンタジー
公開:19/10/19 01:36

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