そうか…夏休みか。

ウチは小学校のすぐ近くに建っている。
その為、息子の隆はいつも学校のチャイムが鳴ると家を飛び出すのだが…どうしたことだ？ここ最近隆がずっと家にいるではないか。
ゲーム・宿題・お手伝い。
どうした？この暑さで外に出るのが嫌になったのか？
仕方ない…こうなったら俺の出番だ。
俺は母・清子に頼み、扉を開けてもらった。日差しはきついが外は気持ちいい。
さて…狩ってきてやるか。
俺はトンボやバッタを捕まえては隆に持って行ってやった。
「ママ～、タマが意地悪してくる～」
意地悪とは何事だ。清子、お前からも言ってやれ！
「貴方も少しは外に出て遊んで来たら？」
そう言われ、隆は渋々外に出かけた。

隆が返って来る。出かける時に持った虫かごにはセミが詰まっている。
隆はそれを嬉しそうに俺に見せてきた。俺も嬉しいぞ。隆もようやく狩りが出来るようになったか。
隆、そいつはお前が食え。
俺は今日、モンプチを頂く。