親の死に目
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「親の死に目」ってどの瞬間を言うんだろう?
僕は10年近く親と音信不通の時期があったんだが、ある日突然妹から電話があり、そこで父親が死んだことを知らされた。
いちおう親だし、まだ葬儀には間に合うということで急遽飛行機に乗り家に着いたら、父親は布団に寝かされていた。
棺桶に入れるための遺品の整理をしていて、赤ペンでびっしりと書き込みのあるロシア語の辞書が出てきた。
もともと読書好きでいろいろと難しい本を読んでいたが、まさかあの歳で外国語を勉強しているとは思いもよらなかった。
妹からの電話がくる前、毎晩のように夢を観ていた。高校くらいの自分が出てきて、それに合わせた年齢の父親にいつも叱られていた。そして、いつも目が覚めた時には泣いていたようだ。
これでいちおう僕は父親のために泣き、葬儀に参列して墓に納骨したから、「親の死に目に会えた」と言えるのかな。
もう十年前のことになる。
僕は10年近く親と音信不通の時期があったんだが、ある日突然妹から電話があり、そこで父親が死んだことを知らされた。
いちおう親だし、まだ葬儀には間に合うということで急遽飛行機に乗り家に着いたら、父親は布団に寝かされていた。
棺桶に入れるための遺品の整理をしていて、赤ペンでびっしりと書き込みのあるロシア語の辞書が出てきた。
もともと読書好きでいろいろと難しい本を読んでいたが、まさかあの歳で外国語を勉強しているとは思いもよらなかった。
妹からの電話がくる前、毎晩のように夢を観ていた。高校くらいの自分が出てきて、それに合わせた年齢の父親にいつも叱られていた。そして、いつも目が覚めた時には泣いていたようだ。
これでいちおう僕は父親のために泣き、葬儀に参列して墓に納骨したから、「親の死に目に会えた」と言えるのかな。
もう十年前のことになる。
その他
公開:19/10/19 16:51
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武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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