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転校したユウタと待ち合わせるのは、『ハチ公前』に決まった。
キッズスマホの地図アプリで位置を確認する。
ハチ公の場所が青色の丸印で表示された。もうすぐ近くだ。
しばらくして異変に気付いた。丸印が――ゆっくり動いている。
「電波が悪いのかな?」
ふとスマホから顔を上げると、目の前に犬の後ろ姿があった。
お尻をふりふりさせながら歩いている。
地図上の丸印も一緒に動いていた。
「まさか……ハチ公?」
犬はその言葉に振り向くと、いきなり駆け出した。
「ま、待って」あわてて後を追う。
109(ひゃくきゅう?)と書かれた丸いビルを通り
噴水の並んだ公園を抜け、神社の鳥居をくぐって
気が付くとまた元の場所に帰って来ていた。
そこにはユウタが立っていた。
ユウタは、犬を抱きかかえると、台座の上に乗せた。
「こいつが逃げると、迷子になっちゃうからな」
そう言って笑うユウタは、少し大人びて見えた。
キッズスマホの地図アプリで位置を確認する。
ハチ公の場所が青色の丸印で表示された。もうすぐ近くだ。
しばらくして異変に気付いた。丸印が――ゆっくり動いている。
「電波が悪いのかな?」
ふとスマホから顔を上げると、目の前に犬の後ろ姿があった。
お尻をふりふりさせながら歩いている。
地図上の丸印も一緒に動いていた。
「まさか……ハチ公?」
犬はその言葉に振り向くと、いきなり駆け出した。
「ま、待って」あわてて後を追う。
109(ひゃくきゅう?)と書かれた丸いビルを通り
噴水の並んだ公園を抜け、神社の鳥居をくぐって
気が付くとまた元の場所に帰って来ていた。
そこにはユウタが立っていた。
ユウタは、犬を抱きかかえると、台座の上に乗せた。
「こいつが逃げると、迷子になっちゃうからな」
そう言って笑うユウタは、少し大人びて見えた。
ファンタジー
公開:19/10/17 23:11
おっさんになりましたが、夢は追い続けます
「小説は短く、人生は永く」
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