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おじいさんの不思議な栞。節目、節目に挟み込む栞。おじいさんは素敵な思い出に浸りたいときに栞の挟まったページを開く。
今日もおじいさんはページを開く。
「あぁ、小夜子、君にまた会いたいよ」
おじいさんには、庭の白薔薇よりも真っ白な肌で、薔薇に戯れる黒揚羽蝶よりも真っ黒な髪の女性が見えていた。その瞳は憂いを帯びて、深い黒の中にも暖かさを浮かべている。
おじいさんはこのページを1日中、眺めている。
なぜかって?そんなことはわかりきってるだろ?
このページより先は今のおじいさんには眩しすぎる。
このページより後には何1つ楽しいことなんてないんだから。
おじいさんの不思議な栞は今日も同じページに挟まっている。
今日もおじいさんはページを開く。
「あぁ、小夜子、君にまた会いたいよ」
おじいさんには、庭の白薔薇よりも真っ白な肌で、薔薇に戯れる黒揚羽蝶よりも真っ黒な髪の女性が見えていた。その瞳は憂いを帯びて、深い黒の中にも暖かさを浮かべている。
おじいさんはこのページを1日中、眺めている。
なぜかって?そんなことはわかりきってるだろ?
このページより先は今のおじいさんには眩しすぎる。
このページより後には何1つ楽しいことなんてないんだから。
おじいさんの不思議な栞は今日も同じページに挟まっている。
ファンタジー
公開:19/10/17 12:12
よろしくお願いします!
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