竹捕り物語

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昔々、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでおりました。
お爺さんは家の裏山で良質な竹を切り、それを竹細工にして街に売りに行っていました。
一方、お婆さんは村を一軒一軒回り、みんなの汚れた衣服を一旦預かり、それを川で洗濯して返すと言う商売をしておりました。
そんなある日、お爺さんが裏山へ竹を切りに行くと一本光る竹を見つけました。
「おお、なんと神々しい。まるで太陽がこの竹に詰まっている様だ」
お爺さんはその竹を慎重に切り取り、家に持ち帰りました。
それを見たお婆さんは
「お爺さん、これは一体何だい」
「わからないよ。だが、きっとこの中には神様が住んでいるに違いない。毎日、拝んでいたら何か良い事があるかもしれないよ」
「んだな。ありがたや、ありがたや」
その様子を見ていた隣の爺さんはニヤリと笑い、密かに盗み出しました。
翌朝
「てーへんだ、てーへんだ。神さんが消えた」
「あたしならここにいるよ」
公開:19/10/17 11:59

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