世界に一つだけの花
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脳の異常だと聞かされた。私は人の顔が判別できない。表情が理解できない。
それもそのはず。私には人の頭が花に見える。
太陽のように明るいあの子の頭は向日葵に。
こんな私でも受け入れてくれる母の頭は撫子に。
苦労ばかりしている父の頭は含羞草に。
そして私の頭はまだ花開かない蕾だ。私はどんな花を咲かせるのだろう?
私はより高度な医療を受ける為、東京へとやって来た。そこで私は、私と同じ症状を抱える人と出会った。
「私達、同じだね」
そう言ってくれた人の頭も蕾であった。
私はその人と渋谷に出かけた。ああ…まるであのCDのジャケットのようだ。
高所から地上を見下ろすとそこには都会のど真ん中であるにもかかわらず花畑が広がっていた。
「皆、美味しそうだね」
声に振り向くとその人の蕾は花開いていた。
薔薇だ。それも血の滴り落ちる、肉で出来た真っ赤な薔薇が咲いていた。
私はその表情が分からない事に恐怖した。
それもそのはず。私には人の頭が花に見える。
太陽のように明るいあの子の頭は向日葵に。
こんな私でも受け入れてくれる母の頭は撫子に。
苦労ばかりしている父の頭は含羞草に。
そして私の頭はまだ花開かない蕾だ。私はどんな花を咲かせるのだろう?
私はより高度な医療を受ける為、東京へとやって来た。そこで私は、私と同じ症状を抱える人と出会った。
「私達、同じだね」
そう言ってくれた人の頭も蕾であった。
私はその人と渋谷に出かけた。ああ…まるであのCDのジャケットのようだ。
高所から地上を見下ろすとそこには都会のど真ん中であるにもかかわらず花畑が広がっていた。
「皆、美味しそうだね」
声に振り向くとその人の蕾は花開いていた。
薔薇だ。それも血の滴り落ちる、肉で出来た真っ赤な薔薇が咲いていた。
私はその表情が分からない事に恐怖した。
ホラー
公開:19/10/18 18:57
更新:19/10/19 20:00
更新:19/10/19 20:00
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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