凹凸、平。

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 人生の節目を迎えると、その都度、僕の周囲の地面は数十センチ沈下する。
 特異体質だそうで、入学や卒業の度、足元のアスファルトがいきなり半球状にへこんだ。

 中学二年になると、そんな僕にも好きな人ができた。
 同級生の桂さんだ。
 でもこんな体質じゃ、振られるにきまってる。

 そんなある日、桂さんから告白された。
「私、君が好きなの」
「えっ、僕もだよ!」
 死ぬほど嬉しくて、彼女を抱きしめた。
 でも地面が一向に凹まない。
 これは人生の節目ではないのか?
 僕の初恋は、節目でも何でもないと?
 まさか、僕たちってうまくいかない、何も起きない運命!?
 青ざめながらふと見ると、桂さんが涙目になっている。
「ご、ごめん、抱きしめたりして」
「ち、違うの。あの……嘘じゃないの、信じて。実は私、人生の節目を迎えると足元の地面が隆起する特異体質なの。それが何ともないものだから……」

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公開:19/10/18 13:50

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