2
6
人生の節目を迎えると、その都度、僕の周囲の地面は数十センチ沈下する。
特異体質だそうで、入学や卒業の度、足元のアスファルトがいきなり半球状にへこんだ。
中学二年になると、そんな僕にも好きな人ができた。
同級生の桂さんだ。
でもこんな体質じゃ、振られるにきまってる。
そんなある日、桂さんから告白された。
「私、君が好きなの」
「えっ、僕もだよ!」
死ぬほど嬉しくて、彼女を抱きしめた。
でも地面が一向に凹まない。
これは人生の節目ではないのか?
僕の初恋は、節目でも何でもないと?
まさか、僕たちってうまくいかない、何も起きない運命!?
青ざめながらふと見ると、桂さんが涙目になっている。
「ご、ごめん、抱きしめたりして」
「ち、違うの。あの……嘘じゃないの、信じて。実は私、人生の節目を迎えると足元の地面が隆起する特異体質なの。それが何ともないものだから……」
終
特異体質だそうで、入学や卒業の度、足元のアスファルトがいきなり半球状にへこんだ。
中学二年になると、そんな僕にも好きな人ができた。
同級生の桂さんだ。
でもこんな体質じゃ、振られるにきまってる。
そんなある日、桂さんから告白された。
「私、君が好きなの」
「えっ、僕もだよ!」
死ぬほど嬉しくて、彼女を抱きしめた。
でも地面が一向に凹まない。
これは人生の節目ではないのか?
僕の初恋は、節目でも何でもないと?
まさか、僕たちってうまくいかない、何も起きない運命!?
青ざめながらふと見ると、桂さんが涙目になっている。
「ご、ごめん、抱きしめたりして」
「ち、違うの。あの……嘘じゃないの、信じて。実は私、人生の節目を迎えると足元の地面が隆起する特異体質なの。それが何ともないものだから……」
終
恋愛
公開:19/10/18 13:50
ログインするとコメントを投稿できます