プロジェクト・めいぶん

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「AI兵器の開発を担うのか」
社内の誰もが動揺し、同僚たちは上層部を問い詰めた。
答えは恐れた通りで、直ぐにそのニュースは世界を巡った。
巨大IT企業が誇る先進的なAI技術の軍事利用。画像認識とドローンを活用した特別チームの結成。
「会社の信望も地に落ちた」
退職を志願する技術者が続出する中、私はプロジェクトへ積極的に参画した。
防衛省から期待されていたものは、戦場でドローン攻撃をするにあたって、ターゲットを高精度に識別する画像認識技術の開発であった。
私は半ば煙に巻くように「ドローンが画像認識でディープラーニングなのだ」と繰り返し、社内だけでなく、国からも予算をかき集め、自ら技術開発の指揮をとるに至った。
資金だけでなく世界中の国防情報を人工衛星や偵察機でかき集めることも重要だ。ビッグデータを高速に分析する技術は刻々と進化する。
その先に、計算だけで戦争が完結する未来を思い描いている。
SF
公開:19/10/16 10:42
更新:21/04/18 17:28

puzzzle( 神奈川19区 )

作文とロックンロールが好きです。
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