薄肉眼鏡

　朝日が差し込みました。さて、今日も出勤のようです。
　やれやれ、私はいつまで働かされるのでしょう。話に聞いていた期間はとっくに過ぎていると思うのですが……
　本当にアナタは困った方ですわ。ただ、私が一番心配しているのはアナタなのですよ。
　このくらいの時期になると、寄り添うアナタは苦しそうに藻掻いている。本当に気の毒で……だって半分私のせいなのですから。
　噂に聞いたことがあるのですが…………ナマじゃないからかしら？
　そっちのほうが良いのなら、そうしてもらってもいいのですよ？
　……あら？　怒らせてしまいましたか？　ごめんなさい。アナタのお気持ちを考えきれていませんでしたね。
　「――ぁ」
　お別れの時間ですの？　それでしたら、今日もお疲れ様でした。明日もアナタに寄り添いたいですけれど、本当に御無理はいけませんよ。
　――仕事終わりのお風呂は最高ですわ。