レスラテ
4
6
「レスラテ?」
僕は友人の口から出た単語を、そのまま繰り返した。
「なにそれ」
「これだよ」
そういって彼は、中身が何も入っていないように見えるペットボトルを差し出してきた。
「何も入ってないよな?」
「いや、実はこれが入ってるんだよ」
最近、カフェインレスのラテとか見かけるだろ? それの仲間みたいなもの。
カフェラテの、ラテらしさを徹底的に排除したラテなんだよ。味も、匂いも色も、すべてが“レス”なんだ。
一通り話し終えた彼は興奮冷めやらぬ様子。
「……詐欺じゃない?」
「そんなわけあるか。何のためにそんな分かりやすい嘘をつくんだよ」
「いや、それはお前のことを騙しやすかったから……とか」
「なんだよそれー」
……言えない。
レスラテを一番最初に考えたのは僕だ、なんてとても言えない。
別の友人にふざけてやったつもりが、こうなるとは。
……それの中身、ただの空気だぞ。
僕は友人の口から出た単語を、そのまま繰り返した。
「なにそれ」
「これだよ」
そういって彼は、中身が何も入っていないように見えるペットボトルを差し出してきた。
「何も入ってないよな?」
「いや、実はこれが入ってるんだよ」
最近、カフェインレスのラテとか見かけるだろ? それの仲間みたいなもの。
カフェラテの、ラテらしさを徹底的に排除したラテなんだよ。味も、匂いも色も、すべてが“レス”なんだ。
一通り話し終えた彼は興奮冷めやらぬ様子。
「……詐欺じゃない?」
「そんなわけあるか。何のためにそんな分かりやすい嘘をつくんだよ」
「いや、それはお前のことを騙しやすかったから……とか」
「なんだよそれー」
……言えない。
レスラテを一番最初に考えたのは僕だ、なんてとても言えない。
別の友人にふざけてやったつもりが、こうなるとは。
……それの中身、ただの空気だぞ。
青春
公開:19/10/16 18:00
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
ログインするとコメントを投稿できます