渋谷の中心で愛を誓う

最初はハチ公前だった。
カラフルな人だかりの中で、彼女を見つけるワクワク感。
街からBGMがきこえるたびに、君は何処も彼処もかまわず歌った。
モヤイ象での待ち合わせは、少し遅れてやってきたね。
ケンカのあとは、わざとマルキュー前にさせられたことを覚えている。
恥ずかしくて、ちょっぴり緊張したけれど、僕のことなんか気にせず買い物を楽しむ姿をみて、なんだかとても安心したんだ。
落ち着いてきてからは、TSUTAYAの角で待ち合わせ。
駅から近いし、ハチ公よりも探しやすい。どちらかが遅れたら、本を読んだり、季節で変わるおすすめレンタルコーナーをみたりして。
今ではヘッドホンを両手で抑え、新曲を視聴している君を捜すことが増えてきた。
意識してるか無意識か、曲に合わせて鼻唄歌う君を見て、初めてのデートを思い出したよ。

変わりゆく渋谷の風景の中、変わらず君を見続けていこうと、僕は静かに誓った。